学校からのお知らせ
卒業証書授与式「巣立ちの言葉」【答辞】掲載
七十四期 巣立ちの言葉(卒業証書授与式答辞)
柔らかい風が春の訪れを感じさせる季節となりました。草木や正門の桜も、希望に満ちた蕾をふくらませ、明日を見つめています。私たちは今日、この北中学校を巣立とうとしています。
思い起こせば三年前、私たちは期待と不安を抱え、この北中学校に入学しました。全てのことが初めてだった一年生、慣れない環境に戸惑いながらも、新しい仲間、先生、先輩方に支えていただきながら、様々なことに挑戦したのを今でも覚えています。
皆で行った「イバライド」。不揃いになってしまった野菜や少し焦げたご飯も、皆で協力して作り、食べたので美味しかったです。体育祭や合唱コンクールでは、行事に燃える先輩方の姿を見て、クラスや学年で協力することの大切さとかっこよさを学びました。
二年生になり、七十四期全員で挑んだ水上自然教室、たくさん練習し、たくさん叱られたけれど、ハイキングの時には列を乱さず責任ある行動をとることができ、校長先生にお褒めの言葉をいただきました。美味しかったごはん、皆で盛り上がったレク、部屋でのトランプ、どれも大切な思い出ですが、やはりキャンドルファイヤーは強く印象に残っています。静寂の中、揺らめくろうそくの光とふるえながらもしっかりとした声で誓う言葉や感謝の言葉に、涙を流す人もいましたね。普段は聞けない本音に大切なものを再確認しました。
必死に打ち込んだ部活動、顧問の先生や先輩方の厳しい言葉に、心折れそうになることもありましたが、今思えばその一つ一つが私たちを強く、成長させてくれました。暑い日も、寒い日も支え合えた仲間たち、ぶつかり合うこともありましたが、ミスをして落ち込んだときに声をかけてくれたり、練習に付き合ってくれたり、相談に乗ってくれたり、本当に感謝しています。ありがとう。
そして三年生になり、私たちは厳しい状況の中で生活することになりました。長い休校があけると、部活動の集大成である学校総合体育大会、コンクール、文化部発表会の中止、さらには体育祭、合唱コンクールの中止も決定しましたね。悔しい、つらい、悲しい、様々な思いがありましたが、全てが無駄だったわけではありません。
先生方のご尽力によって実現された、スポーツフェスティバル、短い時間のなかでも、皆でした準備や練習はとても楽しく充実したもので、たくさん笑い合い、一生忘れない思い出になりました。そして、何気ない日常があることが、どれほど幸せなことか気づかされました。
また、夢の国への卒業旅行は、私たち七十四期にとって特別なものになりました。私たちの「笑顔」が見たいという先生方の強い思いで、実現させてくださいました。また、家族は、様々な心配もある中、「いってらっしゃい」と送り出してくれました。たくさんの人のおかげで、夢の国が私たちの笑顔でいっぱいになりました。私は卒業旅行を通して、こんなに心ある先生、家族、仲間がいる北中学校に通うことができて幸せだなと感じました。
感染症があったからこそ身についた忍耐力、理不尽にも耐える力が、進路決定をするなかで役に立ったと思います。一人一人の努力はもちろん、一緒に頑張った仲間、アドバイスをしてくれた先生、何より家族の支えがあったことが、進路決定につながったと思います。特に家族には心配をかけることもありました。生意気な態度をとることもありました。それでも一番応援してくれて、見守ってくれたこと、感謝しています。普段は言えないけれど、今日は言葉にしていえます。ほんとうにいつもありがとう。
また、三年間多くの先生方に支えていただきました。温かい言葉で導いてくださった江原先生。優しくて、笑顔の似合う廣瀬先生。行事に燃える熱い藤井先生。生徒思いで、頼れる太田先生。いつも全力で、親身になってくださる尾川先生。一人一人に向き合ってくださる、ユーモアのある野沢先生。細やかななことにまで気を配ってくださる伊賀先生。話しやすくて、お兄ちゃんのような西井先生。そして三年間私たちと共に歩んでくださった熱い心の丸山校長先生。こんな状況の中でも感染症予防やスポーツフェスティバル、卒業旅行にご尽力いただき、先生方の温かさ、優しさに七十四期は、成長させていただきました。北中学校で、仲間と、先生方と過ごした三年間は、一生の宝物になりました。ありがとうございました。
最後に、私たち七十四期生は、この三年間で出会ったすべての人に感謝し、愛する母校、北中学校を巣立っていきます。
令和三年三月十五日
七十四期卒業生代表