先生からのメッセージ

校長先生より北中学校の生徒の皆さんへ 「命の大切さを考える」

 2021年オリンピックイヤーもあと残すところ1週間をきりました。11月には愛知県の中学校で同級生に刃物で刺され『命』を落とすといった痛ましい事件が起こりました。コロナ感染も減少し、少しずつ安心した日常に戻りつつある現在でも、かけがえのない『命』を守るためにたくさんの人たちが働きかけてくれています。今年を振り返りながら、もう一度『命』そのものに一人一人が真剣に向き合い、考えてみてください。

 

 

 この詩は、長野県立こども病院の入り口付近に飾られています。小児がん治療のために入院されていた宮越由貴奈さんが入院中に作った詩です。宮越由貴奈さんは、5歳のときに神経芽細胞腫(がん)と診断され11歳で亡くなりました。生きたくても命の電池が切れて生きられない人もたくさんいます。だからこそ私たちは、自分に与えられた命が疲れたと言うまで、精一杯生きなければいけません。

 「命の大切さ」をいつも意識して安全に楽しく生活を送りましょう。そして、優しい気持ちで新年を迎えましょう。先生方はあなたたちの元気な姿をいつも待っています。

北中学校の生徒の皆さんへ

 新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う臨時休校が5月末まで延長となりました。これまでの臨時休校期間、外出自粛など不自由な生活や友達に会えない寂しさ、学習や部活動など学校生活に熱中できない物足りなさなどを感じて生活していたと思います。生徒の皆さん一人一人がよく頑張ったと思います。

 6月以降のことはまだ予定でありますが、希望をもって臨時休校となる最後の1か月だと思い、気の緩み、油断は絶対にないように生徒の皆さん一人一人が自らの命と健康を守る『行動のギア』をあげていきましょう!

 今回の新型コロナウイルスが私達に与えた影響は甚大であり、人々の心に「不安」や「怖れ」を生じさせ社会に様々なストレスやイライラによる「差別」や「断絶」をもたらすことも考えられます。私も『最近ため息が多くなった』と自覚するようになりました。予測をしていなかった事態に頭では理解しているつもりでも、追いついていない思いがあるのだと自己分析をしています。

 大人でもこのような不安定な気持ちになっているので、君達生徒の皆さんも突然のこの事態に戸惑っているのではないかと心配になります。

 これまで培ってきた、育んできた私たちの様々な「絆」や「関係性」は大きな試練を迎えるかもしれません。しかし、今回の事で君たちには、大きな気づきがあったはずです。平凡な日常の当たり前のありがたさ・・・。心のチャイムを自分で鳴らしてテレビやゲーム、スマホなどの様々な「誘惑」に負けずに、規則正しい生活をすることや学校から出された課題にしっかりと取り組むことの難しさ・・・。友達の存在・・・。

「我慢する」ことや「自制心」、「周りの人たちの思いやり」や「人と人とのつながりのあたたかさ」などに改めて気がついた人もいるのではないでしょうか。

 いつもとは違う学校のはじまり方になりますが、大切な気づきを得た君達なら、これまで育んできた仲間との「絆」や「関係性」をさらに深いものとし、充実した学校生活を送っていけると信じています。夜明け前が最も暗いと言われます。もう少しの我慢です。学校は先生達が守っています。

 再開後の学校生活は、君たちの命と健康、安全を守るために縮小されたり、中止になるものもあるかしれません。しかし、君たちの頑張りや意欲は縮小されることなく、これまで以上に熱いものにしてほしい!先生方と一緒に昨年度掲げたスローガン通りに躍進した北中学校をさらに発展させていきましょう!

 そして、臨時休校が延長された1か月間、時間をかけて自分自身と向き合い、自分自身を振り返り、自分の内側を豊かにする有意義な期間としてほしいと思います。6月にやる気に満ちた元気な笑顔で会えるのを楽しみにしています!

                                        校長 丸山 陽一

生徒指導主任 兼 いじめ対応教員 からのメッセージ

 皆さん元気に過ごしていますか。3月2日から臨時休校となり、早いもので2カ月が経過しました。この2カ月を振り返ってみてどうでしたか。この2カ月、本来であれば卒業式や入学式、進級を祝い節目となるとても大切な2カ月でした。また離任式があり、これまでお世話になった先生方との久しぶりの再会に喜び、今後の活力とするそんな季節ではなかったでしょうか。当たり前の生活が送れない心苦しい現在ですが、平等に与えられている「今」を大切に、以下のことに注意して過ごして欲しいと考えています。

 1つ目は、新しいクラスや学年の仲間を大切にしてください。SNSを通した誹謗中傷や仲間外れ等、絶対にあってはならないことです。学校が再開されたとき、全校生徒が良いスタートを切れるよう、クラスや学年の仲間達を大切に思いながら生活してください。

 2つ目は、家庭生活の基盤が学校生活と同じようなリズムで生活してください。学校生活では、クラスの集い・学習・適度な運動・栄養な食事・清掃と様々な活動を通して毎日生活しています。学校からの学習課題の計画的な取り組み、室内を中心にできる運動やトレーニングを通した適度な運動、家族の一員としてお掃除や食事等のお手伝い等、家庭生活の中でできる限りの生活を送るようにしてください。

 3つ目は、不要不急の外出を控え、健康を守るようにしてください。外出自粛要請が出されているにも関わらず、公園での利用マナーについて、学校に問い合わせがありました。校庭開放を有効活用し、午後は家庭で生活するようにしましょう。外出自粛要請が出されている意味を考え、生活することが大切です。命があってこその人生です。今は自分や家族の健康を第一に、コロナウイルス感染拡大防止に努めてください。

 以上3点です。登校が可能となり、皆さんとまた学校生活が送れることを楽しみにしています。

 

                          生徒指導主任・いじめ対応教員  翠川 洋平

生徒の皆さんへ 教頭よりメッセージ

北中生の皆さんへ 

 

日本国内における新型コロナウイルス感染症の被害が、依然として拡大傾向にあります。学校も3月2日(月)から始まった臨時休校が、5月6日(水)まで延長されています。

終わりの見えない状況がまだまだ続きそうですが、学校が再開する日まで、北中生の皆さんにぜひ心がけてほしいことを、2つ挙げておきます。

1.自分自身が感染しないよう、最大限の予防を行う。

皆さんの「命と健康を守る」ための臨時休校です。今はとにかく「ステイ・ホーム」です。外出自粛を心がけ、自分自身が感染しないようにしましょう。感染を広げてしまうのが人々の行動ならば、感染を止められるのも、私たちの行動です。

2.時間の有効活用をする。

 外出が制限され、不自由な生活かもしれません。しかし、時間は限りあるものです。「今だからこそできること」を、各自が考えて実践してほしいと思います。例えば、読書、料理や洗濯・掃除などの家事、手づくりのマスク製作、体幹トレーニング、自主学習など、いろいろとできることはあります。

これから皆さんが生きていく未来には、予測不可能なことがたくさん待っているかもしれません。どのような時代でも、自らの手で切り拓いていくことができるようになるためには、中学生の時期に、自ら考え、判断し、行動する練習を重ねていく必要があります。このような非常事態だからこそ、工夫と努力を重ね、ひとつでも自分を成長させることができたら、それは後々皆さんにとって、とても大きな財産になります。

最後に、1日でも早く新型コロナウイルス感染症が終息し、皆さんが笑顔で元気よく登校してくる日が来るのを、教職員一同、心より待っています。

 

                                          教頭 飯塚 稔

北中生へ 主幹教諭からメッセージ

「今日、私はリンゴの木を植える」 

 突然の休校から一月半が過ぎました。幾日かの登校日はありましたが、北中学校の校舎やグラウンドで、君たちの元気な声を聞いたり、無邪気な笑顔を見ることができなくなってしまいました。教師になってから、こんなにも長い時間、生徒とともに活動ができなかったことはありません。当たり前のように行えていた授業や部活も、今はただただ我慢をしなくてはなりません。世間では「コロナ疲れ」「コロナ鬱」という言葉が話題になっていますが、教師にとって、生徒に会えないことがこんなにも辛いことなのかと思い知らされています。当たり前にあった日常を奪われたことへの不条理を感じます。教師は生徒のおかげで、輝いていられるものだと。言うなれば「北中生ロス」。北中の先生たちは、みんな同じ気持ちだと思います。

 君たちも、きっと同じ思いだと信じています。私自身も、子どもだったとき、学校は当たり前の場所で、時にはサボりたくもなったりもしました。でもやっぱり大切な場所で。友達がいて、好きな子がいて、褒めたり叱ったりしてくれる先生がいて、授業があって、部活があって。当時は日常に埋没し、退屈にも思えたその場所は、こうして大人になり通うことができなくなってしまうと、とても輝いた場所・時間だったように思えます。

 君たちも、そうであってくれたら嬉しく思います。きっと、臨時休校になった1週間くらいは喜んでいた人もいるかもしれません。ただ、こんなにも長く続いてしまえば…。やっぱり日常を取り戻したくなりますよね。身内よりも、ましてや先生なんかよりも、友達や仲間が大切な年頃の君たちだから、不要不急の外出自粛が求められる今、学校で友達に会いたい、仲間たちと好きな部活を思いっきりやりたいと、そんな思いが強くなっているかもしれません。

 学校生活って奪われると、こんなに寂しいものなんだなと痛感します。それでも今は、新型コロナウイルス感染予防のため、ともに我慢をしなくてはなりません。ともに不安を乗り越えなくてはなりません。外出を避けることが、何にも代えがたい「人命」を救うことに繋がります。

けれど、遊び盛りの君たちです。大人のそれよりずっと「コロナ疲れ」を感じているでしょう。TVをつければ、スマートフォンのニュースサイトを見れば、コロナ、コロナ、コロナ。不安を煽るような情報も、誰かの発言に対して批判するようなコメントも…。大人だってうんざりします。でも、そんな時だからこそ、気持ちを前向きに生きていたいと思います。私たちには、中島みゆきさんの「時代」や、坂本九さんの「上を向いて歩こう」など、素敵な歌があります。(中学生のみなさんには、ちょっと古い歌かもしれませんが。知らない人は、是非調べてください。)そんな歌を口ずさみながら。

 先日、私が尊敬する、サッカー元日本代表で横浜FCの現役選手でもある三浦知良選手が、自身のブログで「日本の力をみせるとき」と題し、コラムを綴っていました。

『日本の緊急事態宣言は「緩い」という批判もある。しかし、我々日本人はどんな国難に直面したときも、生真面目さや規律の高さといった、世界でも有数のモラルで乗り越えてきた。だから、僕たちは自分たちの力を信じよう。日本人はこういうときにやれるんだと世界に示そう。「ロックダウン」じゃなく「セルフロックダウン」でいこう。』と。

 前向きで、力強い発言で、北中の先生にも思わず紹介してしまいました。苦しいときだからこそ、不平不満をこぼすのではなく、人を励まし、困難に立ち向かっていこうとする姿勢こそ、現状の私たちに大切な心構えなのだと強く共感しました。

 卒業していった、73期生たち。新型コロナウイルスによって不憫な思いをさせてしまった卒業式となりました。校長先生の式辞も、そんな思いから、言葉に詰まる場面もありました。73期生の担当だった先生たちに思いを馳せれば、悔しさやもどかしさもあったと思います。でも、そんな中、北中PTAの中村会長は、ご自身の子どもが卒業生であるにも関わらず、「今回の卒業式は、親として残念に思うところもあります。しかし、子どもたちの長い人生を考えたときには、こういう理不尽なこともあると、凄く良い経験になると思うんです。」とおっしゃっていました。人格者だなぁと思うと同時に、三浦知良選手の発言と同様に、物事を前向きに捉え生きることの重要性を教えて頂いたような気持ちになりました。

 誰もが不安な状況の中、心は恐怖にとらわれ、不平不満を口にしてしまいます。でも、そんな自分を恥じなくてはなりません。日本人の美徳は、苦しいときにこそ周囲に手を差し伸べ、じっと耐え我慢し、希望を失わないところにあるのだと思います。そうやって、私たちの先達は何度も立ち上がり、この国を幸せに導いてくれました。だからこそ、私は後ろ向きな気持ちではなく、この新型コロナウイルスとの戦いに、ワクワクしながら挑みたいと思います。医学の知識が丸でない私には、ワクチンの開発はできません。政治家でもない私には、緊急事態宣言も出せません。教師である私たちにできることは、生徒のことを想うこと。学校が再開したときに、ピカピカの授業ができるよう、毎日教材研究に励むこと。そんなことを直向きにやりたいと思います。

国の指針を受け、川口市教育員会から教職員にも新型コロナウイルス感染予防のため積極的な自宅勤務の方針が打ち出されました。そんな中、北中の名物でもある校務員さんのお二人は、毎日学校に来て、いつ君たち北中生が学校に来ても安全に学校生活を送る事ができるよう、平時と変わらぬ仕事をしてくださっています。ご高齢のお二人です、少なからず不安もあることでしょう。でも、その姿に、16世紀ドイツで宗教改革を推し進めたルター(歴史教科書P101に掲載されている人物です。)が残した言葉を思い出しました。

「たとえ明日、世界が滅びようとも、今日、私はリンゴの木を植える。」。

 今、私たちにできることは、等身大の自分にできる精一杯のことしかありません。それが最低で最高のことだと思います。人命のために、不要不急の外出を避け、手洗いうがい、栄養のある食事と睡眠。そして、励まし合うこと。君たち中学生は、学習に励み、家族を助ける。可能な限り体を動かすことも忘れずに。そうやって、私たちができる精一杯のことを、ともに取り組んでいこう。

 もしも世界が絶望に打ちのめされても、私は希望を持って、ただリンゴの木を植える。

  「♪そんな時代もあったねと いつか話せる日が来るわ 

     あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ 

     だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう♪」と口ずさんで。

<中島みゆき『時代』より>

                                                                   主幹教諭   森 龍太郎